雛祭りの茶
三月三日の上巳の節句(桃の節句)に、女児のいる家では雛人形を飾って調度品を備え、菱餅、白酒、桃の花などを供えて子ども健やかな成長と幸せを祈ります。
この日、子どもたちを交えて催される雛の茶は、立雛の絵などを飾り、釜は乙御前や色紙地紋などの釜が持ちられます。水指は菱餅にちなみ、呉須菱馬、柳橋絵水指、茶碗は金銀菱重茶碗、桃形の茶碗、香合には貝合わせの貝などが好まれます。
利休忌 ~ 茶道の知識
利休忌は茶家最大の行事です。千利休の忌日は二月二十八日で、二十四節気上では命日が晦日にあたるので、現在の利休忌は新暦に直して三月に行われています。
表千家では三月二十七日に、表千家と藪内家では二十八日に催され、大徳寺でも二十八日に三千家が交代供茶釜をかけます。千利休の画や居士号を掛け、前に三具足で荘厳して菜の花を手向けます。
炉は釣釜を懸けて、台子飾で家元が供茶を行います。供茶のあとには七事式が行われるのが恒例となっています。
彼岸会
春分・秋分の火の前後三日間を彼岸とし、初日を彼岸の入り、四日目を中日、最終日を彼岸のあけといいます。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれ、この頃には気候もよくなるので、釜がかけられる機会が多くもうけられます。 釜には、鐘形の尾上釜や九輪釜、香合には創始、木魚などが用いられ、故人の手造りの茶碗や茶杓などあれば追善にもなります。